平成31年度 入学式 式辞
2019年4月8日 11時55分宇和海や西予の山々に差す春の光に、希望と躍動が感じられる今日の良き日、また、近年
には珍しく、桜が文字通り花を添えてくれる中、平成31年度愛媛県立三瓶高等学校入学式を
挙行するにあたり、多数の御来賓の皆様、並びに保護者の皆様の御臨席のもと、新入生を迎
えることができますことを、心より感謝申し上げます。
ただ今入学を許可いたしました19名の皆さん、入学おめでとう。在校生、教職員一同、皆
さんの入学を心から歓迎いたします。
三瓶高校は創立99年の歴史を有する、伝統校です。約100年前、山下汽船株式会社を起こし、
当時の海運業界はもとより、国家に多大な貢献をされた山下亀三郎氏によって創設されました。
また、戦後まもなく、「念ずれば花開く」の詩でおなじみの坂村真民先生が、国語の教師とし
て勤務され愛された学校としても知られています。100年間に本校を巣立った1万1千名を超え
る先輩方が、現在も各地・各分野で活躍・貢献されています。新入生の皆さんも三瓶高校生と
しての誇りをもって、学校生活を楽しみ、成長してほしいと思います。
さて、三瓶高校では「三高スピリット」と呼ばれる三つの心を大切にしています。
一つ目は「思いやりの心」です。
これから始まる高校生活が充実したものとなるか、つまらないものになるかは、集団の中で
好ましい人間関係を築き、協力し合いながら自分らしさを発揮できるかどうかに依るところが
大きいと思います。そこで大切になるのが周囲の人を思いやる心です。自分を大切に思うのと
同じようにほかの人も尊重する、決して馬鹿にしない。そして思いやりや助け合いの気持ちを
素直に行動に移す力を身に付けてほしいと思います。
二つ目は「向上する心」です。エーアイ(人工知能)やアイオーティー(物のインターネッ
ト化)、外国人の受け入れ拡大、多発する自然災害や地球規模の気候変動、環境問題などの前
には「これまでのやり方」が通用しません。知識は大切ですが、正解がわからない問題に対応
するためには、自分で考える力、現在に妥協せず、学び続ける力が必要です。未来の社会を生
き抜き貢献できる人財となるために、向上しようとする心を強く持ってください。
三つめは「健やかな心」です。先に述べた「思いやりの心」、「向上する心」は「健やかな
心」から生まれます。心が、体が元気であることが基本です。高校生活では規則正しい生活を
確立し、授業はもちろん、部活動や学校行事をとおして、心と体を鍛え、感動やときめきに満
ちた豊かな心を養ってください。先輩たちが大切にしてきた三高スピリットを受け継ぎ、皆さ
ん一人一人が、自分らしく生き生きと高校生活を送ることを期待します。
最後になりましたが、保護者の皆様、本日は誠におめでとうございます。三瓶高校は小さな
学校ではありますが、小さい学校にしかできないことがたくさんあります。わたくしたち教職
員は、生徒・保護者の皆様に「三瓶高校を選んでよかった」と言っていただけるよう、全力で
お子様の成長を支援いたします。保護者の皆様におかれましても、本校の教育活動に、御理解
と御支援を賜りますようお願い申し上げます。
新入生の皆さんの高校生活が、健康で楽しく、充実したものとなることを心から願って、式
辞といたします。
平成31年4月8日 愛媛県立三瓶高等学校長 星川 志朗